コンディショニングガイド 第21回
今回はグラボノイドというあまり聞きなれない素材です。
実はグラボノイドというのは物質名ではなく、カネカさんという会社が販売している原料の製品名であります。
正式には甘草(かんぞう)という植物に含まれるポリフェノールのことで、甘草グラブラポリフェノールという名称になります。
どうやらこのグラボノイドが面白い効果を発揮するようです。
その効果とは、一言で言えば、脂肪を減少させて筋肉を増やすという効果です。
脂肪を減らすことと筋肉を増やすことは、どちらも希望されることの多い効果ですが、実際は両方を同時にというのがなかなか難しいことでもあります。何故ならば、脂肪を減らすためにはある程度のカロリー制限なりが必要で、このカロリー制限は筋肉の分解を促進させていく要素だからであります。
グラボノイドの幾つかの実験をみると、軽い負荷の運動を加えることで脂肪が減少し、同時に筋肉が増加するという結果が報告されています。
そのメカニズムは一体何なのでしょうか。
一つは脂肪分解系の中で、脂肪酸がアシルCoAに変わる際の酵素、そしてアシルCoAがアセチルCoAに変わる際の酵素がそれぞれ活性化されていきます。つまり脂肪が分解して最終的にTCA回路に入るまでの経路がスムースに動くということになります。一方で脂肪合成系の中では逆の流れになっていくわけですが、その際に関わる酵素は見事にそれぞれが抑制されています。要は脂肪の分解が促進され、同時に合成が阻害されていくわけです。
二つ目は、糖代謝調節機能において、グルコースの輸送体(GLUT4)を増加させて筋肉の細胞への取り組みを促進させることが分かりました。
筋肉にグルコースが取り込まれることで、筋肉は発達をしていきます。
この二つのメカニズムによって、脂肪が減少して筋肉が増大するという本来相反するといわれている要素を同時に実現していけるのだそうです。
『コンディショニングガイド』
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