第16回 グルタミンペプチドの話

2017年8月17日

グルタミンペプチドはグルタミンというアミノ酸が多く含まれたペプチド状のものです。

 

 

フリーフォーム(単体)のグルタミンよりも安定性が高いとか、吸収性がいいなどの謳い文句で宣伝されることがありますが、事実とは少し異なるので、今回はグルタミンそのものの効果ではなくグルタミンペプチドとは何かについて触れておきたいと思います。

 
グルタミンペプチドは、一般的には小麦グルテンを加水分解して製造されています。従って名称はグルタミンペプチドとなっていてもグルタミンのみで構成されているわけではなく、それ以外のアミノ酸も多く含まれています。その中でグルタミンの構成比は30%に満たない状態なので、実際は表示量の30%弱がグルタミンの量ということになります。更にアミノ酸スコアは32と低いため、いわゆる総合アミノ酸とかプロテインの代用としては対応できません。

 
しかしグルタミンペプチドはグルタミンに比べて水溶液にした際の安定性が高いという点においては間違いありません。従ってドリンクなどに配合するグルタミンの場合はグルタミンペプチドが使用されているはずです。

 
吸収性については、ペプチドなのでタンパク質が分解されることと比較すれば吸収スピードは速いのですが、アミノ酸が2~3個つながったペプチドとは異なりますので、フリーフォームのグルタミンよりは吸収スピードは劣ります。

 
様々な情報が行き過ぎた解釈を生んでしまい、通常のフリーフォームのグルタミンを摂取しても安定性が悪く消耗されてしまうのではないかと懸念される声を聞きます。

 
確かに3%濃度のグルタミン水溶液を80℃条件で72時間放置した場合に、その残存率は19~23%になっていまいます。しかし実際80℃の条件はほとんど意味がなく、仮に25℃の条件で測定した場合は97%の残存率となります。通常胃を通過して小腸に届くまでに72時間もかかりませんから、フリーフォームのグルタミンをそのまま摂取することには何ら問題がないと考えられます。

 


『コンディショニングガイド』
15年以上、サプリメントを作って、使って、指導してきた、
サプリメント活用のプロが責任編集

※画像はイメージです。


第15回 悪玉コレステロールを下げてくれる? Sアリルシステインの話

2017年8月3日

今回は少し長ったらしい名前の成分をご紹介します。
 
Sアリルシステインという成分です。
 
エキストラサバイブという商品に配合するために、色々と試したのがきっかけです。
 
これはニンニクの中の臭いの成分が分解されて出来るもので、悪玉コレステロールを減らしたり、血液をさらさらにしたり、更には年齢からくる脳の機能低下を防ぐとまで言われています。
 

 
ニンニクの臭いの成分を硫化アリルといいますが、この成分が発酵などによって分解されることで更にパワーアップするようなイメージです。
 
最近、発酵黒ニンニクがちょっとしたブームですが、その中心となっているのがSアリルシステインであります。
 
水溶性なので過剰摂取の心配がないこともですが、なによりもあの独特の臭いが消えてくれるのが嬉しいです。
 
すぐにトレーニングのパフォーマンスアップや筋肥大にはつながりにくいのですが、Sアリルシステインを摂り続けて3ケ月で、私自身の悪玉コレステロールがしっかりと下がっていたので驚きました。
 
そもそも私のコレステロール(特に悪玉)はお医者さんも顔をしかめるほどの厄介なもので、一言でいえば体質らしいのです。コンテストなどの目的でほとんど脂質を摂取せずに減量しているときで、ようやく上限値ギリギリといったところでした。オフ期には薬を飲まざるをえず、その薬も徐々に強いものに変わっていき、一時期は二種類の薬を処方されていました。これまでコレステロールが下がると数多くの食品素材を紹介され、モニターも務めましたが、正直食品では難しいと考えていました。
 
Sアリスシステインだけの効果かどうかは更なる検証が必要となりますが、少なくとも私の頑固な悪玉コレを下げてくれたことには驚いた成分といえます。

 


『コンディショニングガイド』
15年以上、サプリメントを作って、使って、指導してきた、
サプリメント活用のプロが責任編集

※画像はイメージです。


第14回 パラチノースの話

2017年7月20日

今回はパラチノースという糖についてのご紹介です。

 

 

パラチノースはさとうきびや蜂蜜などに含まれる天然の糖質として発見されました。
 
今では酵素技術を生かして工業化に成功し、様々な食品に使われています。
 
構造的にはブドウ糖と果糖が結合した状態なので、ショ糖(砂糖)と同じなのですが、結合部位が違うため砂糖とは違った特長をもっています。
 
まずカロリーは砂糖と同じなのですが(4Kcal/g)、甘さが砂糖の約半分です。
 
そして砂糖よりもゆっくりと消化吸収されていきます。
 
ゆっくりと消化吸収するということは、それだけインスリンの分泌が穏やかになるということで、満腹感が維持されやすくなります。
 
そういった事情からダイエット食品などに使われることの多い糖でもあります。
 
また虫歯の原因になりにくいことから、お菓子などの甘味料としても利用されることが多い糖です。
 
少し面白いのは、GI値(グリセミック指数)は果糖よりも高いのに、インスリンは果糖よりも穏やかに分泌されるという点です。
 
従来、低GI=低インシュリンというように考えられてきましたが、すべての糖質についてこれが当てはまるわけではないようで、本当の意味での低GI低インスリンというのがパラチノースかもしれません。
 
サプリメントとは若干違うかもしれませんが、日常の甘味料としてパラチノースという素材を取り入れていくのはいいかもしれません。

 


『コンディショニングガイド』
15年以上、サプリメントを作って、使って、指導してきた、
サプリメント活用のプロが責任編集

※画像はイメージです。


第13回 コラーゲンの話

2017年7月6日

 

 

コラーゲンとは皮膚や関節軟骨の材料となるタンパク質なので、女性の方にも認知率の高い素材です。
 
皮膚からのコラーゲンをⅠ型、関節からのコラーゲンをⅡ型などと分類していて、細かく分類をしていくと19種類(以上)あると言われています。
 
サプリメントとしては、このコラーゲンを加水分解したコラーゲンペプチドとして利用されています。
 
コラーゲンの面白い特徴は、構成しているアミノ酸が極端に偏っているという点です。
 
全体の1/3をグリシンが占めていて、他にもプロリン13%、アラニン11%、ヒロドキシプロリン(プロリンが変化したもの)9%と3~4種類のアミノ酸で全体の2/3を占めているのです。
 
一方でトリプトファンなどの必須アミノ酸が含まれていないことから、いわゆるプロテインとしての効果は著しく低いことになります。
 
ところが、関節成分(一部には肌)としての栄養素としてはある一定の効果が認められているというユニークなタンパク質でもあります。
 
コラーゲンを摂取してもアミノ酸にまで分解されてしまうため、このコラーゲンが関節の成分として利用されることはないという説も聞いたりします。
 
しかし仮に一旦分解されるとしても、基本関節に必要な栄養素の最小単位の材料が大量に入ってくるわけですから、体内で合成される際には効率はいいはずです。
 
それともう一つ有力な説は、コラーゲンペプチドは大きな分子量のまま吸収されるという報告です。
 
実際にマウスの実験では、コラーゲンペプチドを経口摂取させたところペプチドの95%が12時間以内に吸収され、その分子量もアミノ酸ではなく500~1500のペプチド状態であったことも報告されています。特に軟骨には分子量の大きなペプチドが蓄積される傾向にあるそうです。
 
ペプチドにはシグナルペプチドと呼ばれる、ある種の情報をもったペプチドがあります。
 
このシグナルペプチドは分子量が大きくても、小腸の細胞間隙から吸収されるため、アミノ酸という状態にまで分解される必要がないのです。
 
コラーゲンもユニークですが、ペプチドという存在の奥深さを感じさせます。
 
ちなみに様々なデータからのコラーゲンペプチドの有効推奨量は3.0g/日です。

 


『コンディショニングガイド』
15年以上、サプリメントを作って、使って、指導してきた、
サプリメント活用のプロが責任編集

※画像はイメージです。


第12回 HMβの話

2017年6月15日

今回はHMβという比較的新しい素材についてです。

 

 

今回はHMβという比較的新しい素材についてです。
 
HMβはアミノ酸の一種であり、別の表現をするならば進化型のアミノ酸といってもいいかもしれません。
 
正式にはβ-ヒドロキシ-βメチル酪酸というもので、BCAAの中のロイシンが体内で5%ほどHMβへと変換されていきます。
 
元々BCAAの効果の中心はロイシンであって、たいがいのBCAAサプリメントではロイシンがもっとも多く配合されています。
 
ところがロイシンだけを摂取すると、体内でアミノ酸のインバランスという状態が起こり、ロイシンが本来の効果を発揮してくれません。
 
インバランスとはロイシンだけがたくさんあるために、他のアミノ酸があたかも足りないような状態になることで、BCAAや必須アミノ酸のようにバランスが大切なアミノ酸にとっては、量は足りているのに効果が十分ではないということになってしまいます。
 
そこで通常はロイシンのほかに、バリンとイソロイシンを一緒に摂取してバランスを摂っているのです。
 
その点、HMβはロイシンの代謝産物ですから、バリンやイソロイシンの力を借りずともBCAAに近い効果を発揮することができます。
 
この場合のBCAAの効果とは筋肥大や筋肉の超回復といった効果を指します。
 
実際、アスリートを対象としてだけでなく、サルコペニアの予防や改善といった高齢者の筋力維持を目的とした研究も盛んに行われています。
 
高齢者の場合はハードなトレーニングは難しいので、筋力の維持を目的とした場合に栄養面での介入に軸を置かなくてはなりません。
 
これまでも、BCAA、クレアチン、必須アミノ酸、ホエイプロテインなどの多くの素材が研究されてきていますが、HMβはかなり有力な候補の一つとなっています。
 
有効推奨量は2g/日とされていて、BCAAと比べて少量で済む点もメリットといえるかもしれません。
 
ではHMβのデメリットは何かあるのでしょうか?
 
デメリットとは言えないかもしれませんが、BCAAそのものの効果があるわけではありません。BCAAに期待する効果は、筋肥大や超回復といったものの他に、グリコーゲンが枯渇しそうな時には筋肉のエネルギー源としても使われたり、血漿中のトリプトファンをおさえこむことで集中力を維持させたりと、アスリートにとってはこの上なく有難い素材であります。この中の、筋肥大といった効果に関してはHMβの期待は大きいのですが、他の二つに関してはBCAAでなくては効果が期待できないのです。他には素材の段階での臭いが苦手な人がいたり、まだ新しい素材が故に純度を測定した際の完成度が他のアミノ酸と比較した際に低かったりもします。
 
とはいうものの、すでにサプリメントとして販売もされていますから、一度試してみる価値はあるかもしれません。
 
個人的には減量期の最後の方でHMβを試して際に、通常どんどんと萎えていってしまう筋肉がしっかりと維持できたという実感がありました。
 
今後、引き続き注目をしていくべき素材のひとつだと思います。

 


『コンディショニングガイド』
15年以上、サプリメントを作って、使って、指導してきた、
サプリメント活用のプロが責任編集

※画像はイメージです。


第11回 カフェインの話

2017年6月1日

 

 

カフェインはもっとも身近なエルゴジェニックエイドかもしれません。
 
エルゴジェニックエイドとは、従来の栄養補助という位置づけではなく、サプリメントの力で大きな効果を生み出すような類のサプリメントを指します。
 
以前はドーピングの対象ともなっていたカフェインですが、今はモリタリング薬物としてグレーゾーンに置かれています。
 
従って検査の対象とはなるものの、ドーピング違反にはならないというまさにグレーゾーンであります。
 
コーヒー始め一般的な食品に幅広く含まれるうえに、極端な量を摂取しない限りは副作用などの心配がないからだと思います。
 
カフェインの効果といえばまずは覚醒効果で、強心剤や頭痛薬などにも配合されています。
 
栄養ドリンクの効果の多くもカフェインであります。
 
最近はエナジードリンクの名称で様々な商品がありますが、エナジーとは少し意味が異なり実際はカフェインドリンクであります。
 
覚醒効果以外にも脂肪分解効果もあり、特にヒドロキシクエン酸との相性がとてもいいのです。
 
摂取量が1グラムを超えると嘔吐や動悸が起こり、10グラムで致死量となりますから、乱用はご法度ですが、通常の範囲内での活用はトレーニング効果を高めるうえで効果的でしょう。
 
カフェインの作用機序は、疲れを知らせる神経伝達物質であるアデノシンのレセプター(受容体)をカフェインがブロックすることで覚醒をさせているのです。
 
つまりカフェインは直接脳にアクセルをかけて覚醒させるのではなく、ブレーキを効きにくくして、ドーパミンやグルタミン酸などの脳の興奮性神経伝達物質がより自由に動けるようにして、結果として覚醒感をもたらせているのです。
 
記憶力が強化されるなどの効果も期待できる反面、脱水を引き起こす利尿効果もあるため、夏場の発汗量の多いときは水分補給の意識をより高めておく必要があります。

 


『コンディショニングガイド』
15年以上、サプリメントを作って、使って、指導してきた、
サプリメント活用のプロが責任編集

※画像はイメージです。


第10回 クレアチンの話

2017年5月18日

今回はクレアチンについてです。

 

 

クレアチンは分類としては、アミノ酸の一種ということになります。
 
何故、アミノ酸!と言い切らないのかといえば、体を構成しているアミノ酸ではなく、しかしながら分子構造上はアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)をあわせもった炭素化合物ですので定義的にはアミノ酸と言えるわけです。
 
体内ではアルギニン、グリシン、メチオニンというアミノ酸を材料として生合成されて、筋肉、脳、血液中に存在しています。
 
そしてその大半は筋肉内にクレアチンリン酸という形で貯蔵されています。
 
クレアチンの一番の特長は、なんといっても瞬発力を発揮する際の重要な物質であるということです。
 
元々サプリメントは栄養補助食品としての位置づけですから、それを飲んだからといって即効的にパフォーマンスが向上することは期待しにくいものです。
 
しかしクレアチンはエルゴジェニックエイドというジャンルに分類される少し特殊な物質で、クレアチン単独で効果を発揮します。
 
 
特に瞬発力の向上は体感レベルも高く、多くのアスリートに愛用されています。
エネルギーを作り出す第一段階を、ATP-CP系と呼び、クレアチンリン酸がクレアチンとリン酸に分解される際に生ずるエネルギーです。
 
大きなエネルギーを放出した後の少しパワーを失った状態のエネルギーをADPと呼びますが、このADPがATPに再合成される際にクレアチンリン酸が使われます。
 
ATP-CP系はエネルギーを生み出す系の中で、単位時間あたりのエネルギー産生量は最大です。しかし最大でも10秒程度で終わってしまう系でもあるので、短距離走のように一瞬で完結するような運動で効果を発揮します。
 
クレアチンは一般的にはローディングと呼ばれる大量摂取の期間を設けた方が体内(筋肉内)に取り込まれやすく、1週間ほどのローディング期をつくるケースが一般的です。
個人差はあるものの、約10%体内のクレアチン量が増えると言われています。
 
ローディングの際に目安は一日20gですが、プロテインとは違い、元々体内にそれほど多く含まれる物質ではないため、一度に20gを摂取しても吸収しきれません。
 
そこで一回を5g程度にして一日トータルで20gくらいを飲むようにしていきます。

 


『コンディショニングガイド』
15年以上、サプリメントを作って、使って、指導してきた、
サプリメント活用のプロが責任編集

※画像はイメージです。


第9回 コエンザイムQ10の話

2017年5月4日

30代半ばあたりからは、成長ホルモン、DHEA(性ホルモン)、カルニチン、グルコサミンなどの体内での合成量は激減していき、日常生活の中でもあれっ?と違和感を感じることが多くなります。
 
意外に早く20歳前後から減り始めていく体内成分として、一つコエンザイムQ10があげられます。

 

 

コエンザイムQ10でも特に私が関心をもって注目をしているのは「還元型コエンザイムQ10」です。
コエンザイムQ10自体は2001年の食薬区分の改定を機に大ブレークした成分ですので、知名度は抜群だと思います。
しかしそれが何物で、どういった機能をもっているのかについては今一つ漠然とした理解がされているようです。
 
特に女性にとってはなんとなく美容にいいくらいの印象かもしれません。
仮にコエンザイムQ10を少し難しく表現するならば、
「細胞の活動エネルギーの大部分を産生するミトコンドリア内膜に存在する呼吸鎖の重要構成成分」という感じになるでしょう。
 
チンプンカンプンですよね。
 
コエンザイムQ10は補酵素としての役割がメインなので、ビタミン様物質ということでビタミンQなどと呼ばれたりもしています。
 
では補酵素ということはどこの酵素を補っているのかといえば、主として電子伝達系という箇所です。
電子伝達系とは、私たちの細胞の中の、ミトコンドリアの中の、更にその中にあるエネルギーを作る最終工程のことです。
 
解糖系やクエン酸回路という場所でもエネルギーは作られていますが、圧倒的な量のエネルギーはこの電子伝達系で作られています。
ここに作用する補酵素ということですからコエンザイムQ10の不足はダイレクトにエネルギー不足となります。
 
エネルギー不足はそもそもの材料(糖質)が足りないというケースと、
材料は入れたけれどエネルギーとして活用されなかったケースがあります。
きちんとした食事をしているのに、どうもエネルギーが足りないというようなケースは後者のケースが考えられます。
 
そして、もう一つポイントとなるのが、ただのコエンザイムQ10ではなく還元型という点です。
通常はコエンザイムQ10として語られることが多いのですが、このコエンザイムQ10には酸化型と還元型の二種類が存在していて、
体内では最終的に還元型としてのみ使われています。
 
酸化型ももちろん体内では補酵素として活用されますが、それは一旦還元型へと変換されてからでないと活用されません。
そういった意味において酸化型は少し効率が悪いのです。
 
還元型コエンザイムQ10は還元型ですから(酸化の逆ですから)、抗酸化という機能ももつことになります。
 
電子伝達系はどんどんとエネルギーを生み出す場所だけに、活性酸素も豊富で酸化が進む場所でもあります。
ここに対しての抗酸化という点ではまさに還元型コエンザイムQ10がピッタリなのです。

 


『コンディショニングガイド』
15年以上、サプリメントを作って、使って、指導してきた、
サプリメント活用のプロが責任編集

※画像はイメージです。


第8回 ヒドロキシクエン酸の話

2017年4月20日

今回はスタミナをアップするためのサプリメント(素材)についてです。
 

 

スタミナアップも奥が深く、効果的な水分補給、乳酸の素早い除去、酸素運搬能力の向上など、様々な要素が考えられます。
 
その中でスタミナをあげる最も効果的な方法は、体の中のエネルギー源を増やすという方法です。
 
厳密に言えば、増やすだけでなく、効率的にエネルギーを使うという事かもしれません。
 
 
ちなみに、人がエネルギー源として使うものは、①クレアチン、②グリコーゲン(糖質)、③分岐鎖アミノ酸(BCAA)、④脂肪のざっと4つに分類できます。
この中で、エネルギーの主役となるのは、グリコーゲンです。
 
ですから体内のグリコーゲンの材料となる糖質(ご飯や麺類、イモ類、バナナ等)をしっかりと効果的に摂ることが大切です。
特に練習や試合の直後はグリコーゲンが少なくなっているので、なるべく早い補充が必要です。
 
グリコーゲンは完全に枯渇してしまうと、回復までには20時間以上必要であると言われており、迅速に補充したいものです。
その際のポイントとして、出来ればタンパク質(プロテイン)と一緒に糖質を補充すると、グリコーゲンの回復をより効果的にするという点です。
単にプロテインを飲むのであれば、糖質入りのプロテインを飲んだり、バナナを食べてプロテインを飲むなどの工夫がレベルアップにつながります。
 
次に、エネルギーの宝庫といわれるのが脂肪です。
 
一般にはあまり好まれない脂肪ですが、効率良く活用することができれば、まさにエネルギーの塊なのです。
長距離の選手や持久系のスポーツ選手は、この脂肪を効率よくエネルギーとして利用しています。
運動を始めると体温が上昇しはじめて、脂肪は分解に向かいます。問題はこの分解された脂肪(脂肪酸)をどこまでエネルギーとして変換し続けられるかにあります。
脂肪酸はミトコンドリアの中にあるクエン酸回路に入ってエネルギーに変換されていくのですが、ある程度の変換が進むと、回路の中から溢れてしまいます。
この時点が、脂肪燃焼の一つの限界ということになります。
 
従って、この回路を回し続ける能力を高めてやれば、まさに脂肪をエネルギーに活用するこということになります。
 
ヒドロキシクエン酸という素材がありますが、この素材はクエン酸回路の中に入った脂肪酸をエネルギーに変え続けるといった効果が期待されます。
運動前に摂取することで、ちょうど運動中に脂肪が分解され、エネルギーへの変換を促進させることが可能となります。まさにスタミナアップという事になります。
そしてヒドロキシクエン酸にはもう一つありがたい効果があります。食事前に摂る事で、取りすぎた(利用しきれない)糖質を脂肪に変えないという効果です。
脂肪への経路をシャットアウトされた糖質は、グリコーゲンとして蓄えられることになりますからまさに一石二鳥です。
 
運動前にヒドロキシクエン酸を摂取して、運動後には糖質入りのプロテインを飲むといった組み合わせが、スタミナをアップさせるサプリメントの組み合わせといえるかと思います。

 


『コンディショニングガイド』
15年以上、サプリメントを作って、使って、指導してきた、
サプリメント活用のプロが責任編集

※画像はイメージです。


第7回 クエン酸の話

2017年4月6日

クエン酸はレモンや梅干しなどの酸っぱい味の成分です。
 
いろいろな清涼飲料などの清涼感を出すために添加されていますが、むしろ最近ではトレーニング時の疲労回復としての注目度の方が高い素材です。
 

 
トレーニングなどによって疲労がすすんだとき、甘味や酸味が欲しくなることがあるかと思います。クエン酸は生体内エネルギーの中心的な中間代謝物なので、筋肉内においてもクエン酸合成酵素が上昇していき、実際にクエン酸の濃度も上昇します。
 
従って、ある程度の強度のトレーニングの場合は、トレーニングの最中にクエン酸を摂取することで運動パフォーマンスの向上や疲労物質の除去、グリコーゲンの合成促進などの効果が期待できます。
 
またクエン酸を摂取することで血液のPhの低下が抑制されることが証明されており、明らかにパフォーマンスの改善がみられます。これはクエン酸の摂取が筋肉中の乳酸が代謝されやすい状況になるためであります。
 
少しマニアックな使い方になりますが、トレーニングの前半は糖質が配合されたエネルギー系のドリンクを積極的に飲むようにして、中盤〜後半にかけては乳酸対策としてクエン酸系のドリンクに切り替えるといいでしょう。
 
トレーニング強度を上げるためにもクエン酸を上手に活用してみるといいですね。

 


『コンディショニングガイド』
15年以上、サプリメントを作って、使って、指導してきた、
サプリメント活用のプロが責任編集

※画像はイメージです。